2006年09月10日

レタッチはしないでください(第3回)

いにしえの写真屋レアアイテム?

前回の続き。

近くだと雑に見えるものも
離れるとキレイに見える。

大きくすると粗が目立つが
小さいままだと判らない。

少々バカっぽい話にも聞こえるが、
結局、そういうことなのだ。
別に我々が信用されていないとか
金をケチっているとか、そういんじゃない。


業務用写真の使われる先というのは、
やはり紙の印刷媒体であることが多いとおもう。
そういった使われる先の写真が
「どういう状態のものであるのか」によって
ウチら商業写真屋の仕事の精密度加減なんかが
あらかた決まってくるわけだ。
で、その重要な要素の中に「大きさ」がある。

想像していただければ判るとおもうが、
食品とか雑貨とかのパッケージにある写真なんて、
おそらく名詞サイズ程度の大きさのヤツがほとんどだ。
ミニカー等小さな玩具の写真なんか証明写真サイズだ。

乱暴だとおもわれるかもしれないが、
そんな小せえヤツにいちいち
構ってらんねぇということなのだ。
別にレタッチが不要なのではない。
小さいこと他その写真に求められる性格により、
そこまでガッチリやる必然性がないということが、
中間業者である我々の目にも明らかなのだ。
独断は禁物だけど。

さらに
レタッチ(ほぼ)無用のもう一つの理由が、

「相手がグラフィックデザイナーであること」だ。

彼等はウチがデジタルやるずっと前から
イラストレーターなんかでメシ喰ってる人達だから、
フォトショップだって、ウチなんかよりずっとわかってるんだよな。
このAさん(前々号参照)に何度も教わってたくらいだから。
彼等の実際の作業の過程で、そんなの一緒にやってしまうからさ、
あんありデータイジらないでくれ、ということだ。
逆に下手にそんなとこに手間掛けて
先方さんのご要望から逸れかねないイメージに仕上げられたり、
値段を上げられたり(しないけど)納期が遅れたりするくらいなら、
生のデータだけよこしてくれたほうがマシ、というわけなのだ。

であるから、マナーというかエチケットというか、
そんな意味合いも込めて最低限、
ゴミ取ったりするくらいで終わり。

ただし、
これはあくまでもお客が、
データをいじれて我々と近い業界の人
(データを納品するお客)だからよいのであって、
人物その他のメモリアル的な写真(写真納品)ともなれば
話は別だ。
ウチのお客がエンドユーザなのだから、
マジレタッチ?になる。

結局その辺のことってのは、
実際にお客や取引先と膝突き合わせていく中で、
なんとなく感じ取ってしまうものなんだよね。
ハッキリ明示されてコトを行ったことの方が、
多分少ないとおもう。
いいことでもあるし、悪いことでもあるんだろう。
ウマくいけば「あうんの呼吸」とか言われるかもしれないし、
マズければ「零細商人は丼勘定だから」とか言われてしまう。
どちらも決して嘘ではないとおもうが。

なんだか、当ブログの
『お客が来てくれるのは結局「店が開いているから」だということ』
で書いたことに似た話になってきちまったかな?。

写真の小ささ。

ウチの仕事の多くが
レンズさえよければ、
800万画素でも間に合ってしまうのは、
主にそんな理由からである。

しかし当然のことながら、
写真の大きい小さい「だけ」で
仕事の緻密さや値段なんかを決めるのは変かな。
映画のチラシとか大企業のWEB上の写真、
一流アーティストのCDのフライヤーなんかはやっぱり
それなりのスゴイ人達が手掛けているんだろうしね。
ファッション雑誌の写真にだって小さいヤツ山ほどある
(ページ単価ってどのくらいなのかね?)。
どっちも小さくたって手間も金もかかってるだろうね。

もっとも、
ウチらのような街の写真屋が
決してそれらを受注してはならぬ、
などということはないんだろうけどさ。


ところで、

写真が小さいのはいいとして、
逆にデカい写真(デカくする必要のある写真)の仕事というのが、
とても気になっていた。
本当ならば両方知っていたいし、そうでなければ
「ウチのは小さいばかりだから」などと
偉そうには言えないなかな、ともおもっていたし。

先日、
「やっぱしウチの仕事って、小せぇんだなー」
と初めて実感させられたと言ってもいいような、
ちょっとした出来事があった・・。

次号に続く。

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