2006年12月09日

レタッチはしないでください(第8回)

こんなヤツでも十分稼いでくれます
前回の続き。

Bさんから仕事がきた。

別に強く売り込んでもいなかったし、
前回の仕事の出来不出来を
先方に確認してもいなかった。
それなのに、なぜ
こうして面識も無い遠方の業者に
わざわざ仕事を回すのだろうか。
値段が安かったから?。
遠いとトラブった時に後腐れなく済むから?
それともこれが
「紹介」というヤツの
威力ということなのか・・・。

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ある日、出掛け頭に店を覗くと
未開封の小さな荷物があった。
差出人はBさんだ。
それに併せるようにFAXも入っていて、
そこにはBさんの手書きで「こうこうこんなカンジで、急ぎですヨロシク」
みたいなことが書かれていた。
達筆というような字ではなかったが、
多分中太サインペンあたりで書いたのかな、
とても読みやすい丁寧なFAXだった。
文章そのものについても、高慢チキな態度あるいは
こちらに対する不信感みたいなものは微塵も感じられない、
極めて常識的で、カンジのいいものであった。

不思議なもので、
手書き文字なんか見ると会ったこともない人なのに
親近感のようなものを感じてしまうんだな。
ビジネス系の書籍なんかで、顧客とより接近するには
手紙(手書きの)や顔写真付き名刺なんかがイイ、
とかいう話はよく聞くが、やはり
こういった心理的効果を狙ったものなんだろうか。

ところで私、
実はBさんの最初の仕事の様子、全く見ていない。
で、当ブログのこともあり?今晩あたりやるんだろうから
今回はカメアシがてら是非見届けてやろうと心に決めて、外出した。

ところが、夕刻帰宅すると例の荷物が見当たらない。

私:「あれ、あのブツは?」
父:「あーあれ送ったよ」
私:「え、送った?!」
父:「そう、さっき送り返した。撮影終わったからな」
私:「なんだもう終わっちまったんかよー」

どうやら先方サン、本当に大至急だったようだ。
前出のFAX、よくみると
「今回も大至急で本当に申し訳ない」という旨のことが、
文中の他の文字よりも心持大きめに書かれていた。
誠実さを窺わせるような丁寧な字面と相まって、
なんだか本当に申し訳ないのかなという、
そんな気持ちが伝わってくるようだった。

私;「で、肝心の写真は?」
父;「それもCDにして送ったよ」

急いでいるのは当然ブツなんかじゃなくデータである。
だから本当なら送ったりせず、手前でサーバ借りてデータをアップしておいて、
パスワードかけておいてそこからダウンロードしてください、
ってくらいのことをするのが今風なんだろう。
が七転八倒しながらデジタルとなんとか付き合っている我々に、
そんなことする余力はないけどね。

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話が前後して申し訳ないけど実は、
このブログの章にもご登場いただいた
あのレタッチャー某師に、お会いしたあの時、
かなり行き当たりバッタリで不安なウチのデジタル状況について、
何か助言をいただけないかと勇気?を出して説明してみたのだ。
どんな状況かって?当ブログご覧の皆さんなら
大方ご想像つくでしょう(苦)。

私自身にとっても、
それまでハッキリせず不安だった事の何割かが、
その時点で一気に解決してしまった。
勿論襟を正して聴いたのは言うまでも無い。
カラースペースやモニタのマッチング、
プロファイルや校正設定、解像度のこと、
そして印刷・製版会社やデザイナーとのやりとりについてなど・・。
今まで買った何冊ものフォトショップ本は
一体何だったのだろうか。
「コイツをはやくウチの親父にブン殴ってでも聞かせてやらねえと」
と、なんだか興奮一歩手前のワナワナとする感じを覚えた。

で、この章での、例の3900万画素のヤツをいじってた時、
そのことを親父に全部説明し、
ウチのデジタル仕事のレベルがどの程度世間とズレているのか、
その確認を試みたのであった。

それに対する親父の答えってのが、
こいつがまた以外だったのである。

次号に続く。
(長くなっちゃったのでこの章やっぱりもう1、2回続けます)

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