2006年12月24日

レタッチはしないでください(第9回)

もはや用ナシだが棄てられない・・
前回の続き。

別にまだ跡取でもない私が、
ウチの商売を気にかけ口出しするようになって
ブログまでやりはじめた。
そんな中で最大の懸念といえば、
儲かっているかどうかもさることながら、
ウチのデジタル環境(知識や技術、設備等)が
世間とどの程度ズレているのか、ということだった。
私自身がこのところ方々出向いて、
最新のデジタル関連情報(今思うと常識に近い)を得てきたこと、
そして、たまたま新規のブツ撮りのお客が来たことを機に、
ウチの無知無軌道ぶりを是正し、
懸念を払拭するいい機会になるのでは、と考えたのだ。

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この章の始めのほうに、
近年(ウチのお客の)デザイナーが写真屋に発注せず
自らの手でデジカメ撮影をし始めた
というようなことを書いた。
聞くところによると大抵はコンパクトデジカメらしいが、
別にそれはそれで構わないとおもう。

ただ少し問題もある。
同業の方やかなり撮ってる方ならお分かりかもしれないが、
コンパクトデジカメはカメラ内で色(絵)を
ある程度作ってしまうらしい(親父曰く)。
コントラストもシャープネスもそこそこあり、
好みは別として、そのままプリントしてOKってカンジだ。
反対に、
自由度が高く撮影者の意図がより反映される一眼レフは、
そうであるがゆえに撮影後も世話が必要である。
まあこの辺は、
『印刷原稿としての入稿の際はシャープをかけてやって云々』
といったような、デジタルワークフローの基礎のお話になるけどね。
無調整データがモニタ上ではOKでもプリントすると
なんかアッサリしていて物足りなく感じることがあるが、
この点は商業印刷では特に重要(というか基本)である。

で問題なのは、
このデザイナーBさんが
コンパクトデジカメの感覚でウチに発注し、
その上で「レタッチはいらない」としたことなのだ。
恐らくこの調子だと特に調整は必要なさそうだなと、
ご自分の撮影の出来から判断したのだろう。
親父も少し心配だったようだがバカ正直にも、
さしあたりRAWデータをニュートラルな状態に現像しただけの、
無調整のデータを納品したのだった。

すると後日、というか案の定、
こんなことがあった。
デザイナーAさん(第1回参照)が来られ、
Bさんからのクレームを伝令されたのだ。
試しに出力してみたそうなのだが、
「ピンはきてるのにボケてるように見える」と。
そう、いわゆる
「ねむたい写真」ということなのだ。

「やっぱしなー」というのが率直な感想であった。
そりゃそうさ、何もしてねえんだから。
勿論、Bさんとしては当然のことを言ったまでで
別に悪くもなんともない。
それにクレームといっても、間接的にではあるが
非常にまっとうなものであるのは
Aさんの説明で十分伝わってきたし。

なので、最初のヤツはともかく
今後は仮に指示なしでも、デジタル納品として一般的に
最低限の体裁(シャープネスやサイズの問題等)にして
納品した方がイイね、とAさんと話し合点したのであった。
また、製品パッケージになるということに鑑み、
コントラストきつめのデータなんかも、
こちらの裁量で別途作成し付け合せることとした。
写真頼んだのに写真加工作業増えちまったら
写真屋に発注する意味無いからね。

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さて、
Bさんからはクレームがきてしまったが、
Aさんやウチのお客の他のデザイナーさんとは、
同種の問題でクレームになることは今までなかった。
何故かといえば、これは上記ご両人が
「写真をやっている(ハイアマレベルの)」方だったので、
デジタル写真の特性をある程度理解していたからだ。
だから実際の仕事でも、
どこからどこまでウチの仕事かということと、
実際の写真(データ)の仕上がり具合との関係が
解かっていたのである。
もっとも、そのお陰で無知な我々は救われていたのだが。

とにかく、
本来写真屋がもっと積極的に
責任持つべき領分であることは間違いないだろう。

次号に続く・もう一回やります)
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