2007年06月24日

ウチの地域は写真屋激戦区かも?(第9回)

夕方の日本橋高島屋
前回の続き。

プリクラみたいなカタチの、
CFとかSDとか突っ込んでプリントしてくれる
自販機みたいな機械がある。正式名称は知らないが。
DPE店なんかの片隅にも置いてあるヤツ。

私も一度だけ利用したことがあるが、
アレなんかも写真屋の価値を陳腐化させる、
まさに消費者の味方の便利マシーンである。
店員(他人)との接触を省いてコトを為すという、
実に今風な機械と言えるのではないか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

秋葉原に例の超大型量販店がある。
テレビでおなじみのナントカカメラだ。
オープン直後の混雑が嫌で、しばらくしてから行ってみた。
その1階の一部に、そのプリント出力マシーンが
数十台で占拠する一角があった。3,40台くらいだったかな。
数えたわけではなかったが、
とにかくそいつがズラっと並んでいて、
私にとっては皮肉な意味で壮観であった。
「やっぱりみんなデジカメで撮って、
 そんでもってこのテの店にプリントしに来るのかな」
「そりゃフツーの写真屋もいらなくなるワケだよな」
などと考えたりしたのだった。

つい数ヶ月前だったかある日のこと。
その量販店に足を運んだ際に、
たまたまその機械のことを思い出して、
なんとなくその場所を覗きに行った。

そしたらなんと、
そのマシーン達がなくなっていたのだ。
あんなにたくさんあったのに。
単に商品配置換えかなんかで別フロアに移動でもしたのか。
少し気になって探してみる。

あ、奥にあった。

だが、
四分の一ほどの台数に減っていた。
少なくとも壮観とは呼べない台数だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さてここで根の暗い私は、
その理由を想像(という名の妄想)してみるワケだ。
だがいくら考えても、
「売れないから」
以外の強い理由が思い浮かばない。

で、それが本当であると仮定して、
ならばなぜ売れないかを考える。

「プリンタ・インク・紙の質が向上し、
 かつての写真屋プリントと遜色ないものとなってきている」
       ↓
「それらは概ね廉価で一般に広く普及してきている」
       ↓
「デジカメプリントを業者に頼まず家庭で済ます人が増えた」
       ↓
「もしくはオンラインで済ます」
(大手から中小までウエブ上でデジカメプリントやっているところ
 結構あるけど、どの程度売れているのかはよく知らないのだが)

という風に結局、
このブログで何度も書いているようなことを
思い浮かべるだけなのだ。

 〜後日追記:2007年6月27日〜

  投稿してから気づいたんだけど、
  「デジカメプリント客激減」について、「ハードの進化」が
  唯一の原因みたく結びつけるのはやっぱし変だな。
  いいプリンタ等が昨日今日突然登場したわけでもなく、
  そもそもデジカメプリント客が激減したような様子も確認できない。
  それに、わざわざ電車をいくつも乗り継いででも
  ココじゃなきゃダメ!という類のサービスではないし、
  恐らく近所や通勤通学途中のDPE店なんかで済ましていた、
  と考える方か自然かも。DPE店が増えればなおさらだ。
  開店当初より設置台数が減っていたのは事実であるが、
  単に見込みが外れたのか他の理由によるものなのか、
  どのみち部外者に分かるわけないよな・・・。
  
      〜追記ココまで〜


「これいいねー最高じゃんか」という画期的新製品も、
それを上回るニューカマーの登場によって、
あっという間に時代の後方へと葬り去られる。
そこに付帯するサービスや従事する人々なんかも一緒にね。
これはそういう例なのかもね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、
こういった時代予測的な話をすると必ず、
「そんなの後からならいくらでも言えるよな」
的なことを言う人がいる。
それについては全く反論するつもりはない。
ごもっともだとおもう。
ただ、そうやって言い切っちゃうと
話はお仕舞いなのでね・・。

確かに予測などできないかもしれないが、
昔や近過去そして今現在、
身の回りや世間一般に散らばる様々な現実に真摯に向き合い、
その時の雰囲気や流れを「感じる」ことは、
十分可能である。
さらにそこから少しでも
未来を想像してみたりすることは、
それは別に特殊技能でもなんでもない。

最近TVで動物番組多いからペット用品売り場広げようとか、
あそこは雑居ビル多くて事務所増えてるから
セット割ランチやればいけるかも、とか・・。
いつの時代も我々の多くはそういった些細なコトを、
意思決定の拠り所としてきたではないか。

権威付けや数的根拠が無いからといって、
自分が感じたことまで
否定する必要などない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今から5、6年前、
「あー将来こんな具合に写真屋に人が来なくなるんだなー」
などと想像した人は、
絶対に私だけではないとおもう。

前回の成長曲線の話だって、
人によって認識や考えが異なったとしても当然だ。
私だって調査したわけでもない。
しかし、
バブル崩壊後のあの90年代そしてそれ以降が、
もはや写真フィルム市場の成長期などではないと
私が同業の皆さんに問うたならば、
ほとんどの人に首を縦に振ってもらう自信はある。

90年代半ばから2000年過ぎにかけては、
盛んに流通革命だとか価格破壊だとか言っていた時期だ。
多くの市場が衰退するのと同時に、様々な新技術や新サービスが登場し、
旧態を凄い勢いで破壊しながら新たな成長カーブを描こうとした。
時代の転換期ではよく、こうした商売の
『多産多死』が起こると言われる。
例の「彼等」もそうしたビジネスの一つであると考えた。
ただ、既にデジタル技術も登場する中、
次世代を克明に指示すような存在というほどでもなかったよネ
(だから私は彼等を『キャズム』だと呼んだのだ)。
でもやはり「激安価格」や「コンビニ的とっつき易さ」は、
疲弊しきっていた消費者にとっては有難かったとおもう。
それに、大きな規模の事業がまわっていくことで、
そこから多くの取引や雇用が創出されたのだろう。
だから「彼等」が存在する意義は大いにあったと考えるのだ。
ただそんな混沌とした時期だからこそ、
今この瞬間をやり抜くのに精一杯で(当然私も)
今後を予測するどころじゃなかったかもね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2003年夏、
わが店は本格的にデジタル導入に踏み切った。
その時期の導入は決して早いとはいえないが、
それまで親父は1年悩み続けた。
誰が知る由もないことではあるが、
我が家における
明治維新並みの出来事であったとおもう。

他方で、
デジ・アナ共に写真にまつわる、
限定された非常に狭いニーズを持つ客を、
インストア店なり路面店なりに
誘引し売り上げるというビジネスモデルを以って、
「彼等」は着実に店舗数を増やしていった。

その内の2つが
近所にやってきたのである。

次号に続く。

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