2007年12月16日

続・ウチの地域は写真屋激戦区かも?(第7回・結)

コイツもカビないか心配です。
前回の続き。

友達でも親戚でもない近所の同業者が
デキのいいチラシを撒こうものなら、
こんなに落ち着かないことはないだろう。

でも今回について言えば、
そうではなかった。
一瞬、そのチラシの出来栄えに驚いたものの、
どちらかといえば「あーよかったなー」という、
なんだか嬉しい気持ちがしたのだ。

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そいつはあたかも、
音信不通の旧友の「ナントカうまくやってる」
という情報を人伝に得たような、
そんな感じである。

それにしても妙だ。
たった数回の間接的接触であるが、
本来商売敵であるその近所の同業者に
ちょっとした思い入れ状態にある。
なぜだろう。
私が小学生の時から知っていたから?

そんなこと考えてるうちに、
下町商店の盛況→没落→復活という、
「プチV字回復」と言ってもいいような、
その筋道と時期とが、
ウチとほぼいっしょであることに気づいた。
つまり、
私はその店に、
自分達の姿を感じていたのだとおもう。

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そういえばあの店、
ウチの店もヤバかった数年前に、
何かの用事でたまたま通り掛かったが、
本当に元気のない、寂しい店構えをしていた。
どことなく薄暗く若干清潔さを欠き、
ショウウインドウは
大きさの割には展示点数も少なく
自信も感じられない。
まるで「あと数ヶ月で店閉めますから」みたいな、
そんな雰囲気すらあった。

「コッチも大変なんだな」
商売キツくて外面の方まで気が廻らないのだろうか。
例のショボいチラシやSMの件などと
その寂しいミテクレが、
私のアタマの中ではしっかりと関連づけられた。
その店が立派なのを知っているだけに、
余計に哀れに感じた。

じゃウチは何かしたのかというと、
何もしなかった。
その店同様、
ウチも全く情けない状態であった。
ショウウインドウに半年以上前の陳列物が
そのままになってたりしてたくらいだ。
それら一つ一つ指摘してやったことはあったが、
素直に聞き入れ改善されたことはなかった。
追い詰められた者は、
足元のゴミを拾うことすら
手につかないのかもしれない。

「じゃお前が何かしてやりゃいいじぇねえか」
と言われそうだが、
私が実際に手を貸したことといえば、
PC導入の手伝いと軒先掃除くらいだった。
今こんなこと書いてる私だって、
どうしたらいいか分らなかった。

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そして今年。

デジタルのお陰で復調しつつあるウチにも、
自分達の数年後や、周りのことなんかを
幾らか気にする余裕も生まれた。
そんな中、あの店のチラシを目にしたのだ。
そこに私は、
絶望から浮上しようとする自分達の分身を
見出したた気がしたのである。
勿論単なる思い込みかもしれないし、
ウチと比較されちゃあの店に失礼かもしれないが。

そしてその数日後、
今度はたまたまでなく、
あえてその店の様子を見に行った。
清潔で明るい店頭、
ショウウインドウには大きくギッシリ
見本写真が飾られていた。
これがあの時のあの店かと見紛うほど、
全然雰囲気が違う。
主張がある。
本当に自信に満ちているように見えた。

というか、
そのチラシを見て、
きっとそうなっているに違いないと思っていた。
それを確かめたかったのだ。

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今年の七五三、
やはりウチは何の販促もしなかった。
「かったるい」「予算の都合」、
正直に言えばそんなところである。

それでも、
少ないながらお客は来てくれた。

こんな商売人を、
『パパママストア』とかいい
否定的に捉える人は大勢いる。
そういった人等の繰り出すスマートな現代人的指摘は、
殆どまっとうなのものばかりである。
それはそれでよい。
素直に聞き入れたいとおもう。

しかーし。
「○○をやればこうなる、だから○○しよう」
「こんな結果なのは、○○したからor○○しなかったから」
といったような考え、つまり
刺激→反応
という枠組みでしかモノを考えない輩は、
ウチのような存在を永遠に理解することはないだろう。
自分の業績不振を近隣ライバルのせいだけにするならば、
おのずと客足動線・交通量とか価格を下げるとか品揃えとか、
その辺だけに解を求めようとしてしまう。
それは外側からの視線である。
勿論それも十分あろうが、それだけか?。
いやそれより重たいことないだろうか?。
挨拶する、催し物に参加する、葉書出す、友達になる、
そういったビジネス上の直接的手段ではない、
一見全く関係なさそうな日常の事柄、
それらのとてつもない積み重ね。
そっちの方が実は、
商売の結果に深く関与していることを、
ウチの親は解かっているに違いない。
なんのこたあない、人間関係のことだ。
そいつをビジネス要素として
簡潔に表現を違えてみるならば、
それはまさに
「時間」
である。

ウチのような写真屋共がやりくりする中、
洗練された若く元気のある新しい店が
次々と自滅していく様を見て、
益々そう思う。

やはり
見えないものの力は
偉大なのだ。

(続・ウチの地域は写真屋激戦区かも?全7回・おわり)

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