2008年02月10日

やはり写真屋としては無視できない2、3の事柄(第3回)

上野東照宮ぼたん苑にて(03年のケータイのカメラです)
前回の続き。

昨年末あたりだったか、
こんなことがあった。

ウチの親父が少々自慢げに、
私に語ったことがある。
なんでも、
お得意サンから自分のプリントの質を誉められたらしい。

が、ただ誉められたのではない。
その方が直接誉めてくれたのではなく、
その方の所属するある写真クラブの講師の人が、
ウチのプリントを見て誉めていたよと、
伝えてくれたのだ。

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その方、ウチで出力したプリント持参して
その写真の会に臨むわけだが、そこでの講評の際、
「○○サン(そのお得意サンのこと)は、プリントいつも
 いい色でてるよねー」
とか講師(プロCマン?)に言われたらしい。

と、こんなことを、
普段と変わらず話す親父であったが、
内心かなりイイ気分だったろうことは、
なんとなくその雰囲気というか、
わずかなニヤケ具合でわかる。

勿論私だって嬉しいさ。
身内が誉められたのなら。

もうひとつイイのは、
ウチのプリントのお陰?で
そのお客サンもその集いの中で、
ちょっとした優越感を味わえたかもしれないことだ。
なんせ撮影の猛者何十人もの中で(←私の想像)
センセーから名指し指差しでお誉めいただくんだから。
自尊心大いに満たされたに違いない。

で、さらにその方、
お誉めいただいた後、
その講師の方にこう切り返したそうだ。
「イヤーうちの近所にね、すごくコダワリの写真屋(ウチのこと)
 がいましてね、いつもそこに頼んでるんですよねー」

それ↑を話している時の親父は、
さすがに笑みを抑えきれなかった。

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一口に趣味といっても
様々なレベルがあるとおもうが、
連日我が店に来られては
夜遅くまであーだこーだと言っている何人かの方は、
俗に言う「ライフワーク」という言葉のほうが
しっくりくるレベルにある。
我慢もしないし終わりも無い。
遊んでいるように見えて
結構マジである。
我が店主宰の例会に、
病後の身でありながら
結構な長い距離を数千円かけてタクシーで来られる方もいる。
そのくらい写真が好きなのだ。

そんな方々のご要望に応えることが、
当店の使命というか責任なのだ。
あ、イヤ、
というよりはむしろ、
我々が自分達に対して、
「お前等ホント大したことねーけど商売やっていいよ」
という免罪符みてえなものを与える為の、
僅かばかりの拠り所なのだ。

だから冒頭の話を
「なんだ自慢かよ」とかいって
冷やかされたくはないのである。
だってそういうことが出来なければ、
商売人として存在している意味無いのだから。

でもってその一方、
欲しい絵面を自力で作れる
素敵な装置が眼前にある。
そしてそれらは年を追うごとに良くなり易しくなり、
誰もが入手可能である。
なのに、
それらを乗りこなせないどころか、
その進化に置き去りにされている人達がいる。
メーカーさんもかなり頑張ってるとはおもうんだけどな。

初心者向け解説本や初級者向けビジネスが、
この世から消えることはなさそうだ。

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これに関係するエピソードが
もう一つあるんだけど、
長くなったので次回以降に。

次号に続く。

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