2008年04月25日

やはり写真屋としては無視できない2、3の事柄(第8回)

三社のみこしですが・・。
前回の続き。

この章をまとめる前に
もうひとつだけ話にお付き合い願いたい。

暫く前に、
ある知り合いの方から面白い話を聞いた。
その方は管楽器関係の仕事をしている。

随分前(たしか70年代かな)、
皆さんご存知「エレクトーン」っていうやつが
初めて登場した時、
一部の楽器製販業者は戦々恐々としたそうな。

 *後日付記4月26日*
  詳しく調べたところ、初代機は59年登場とのこと。
  大変失礼しました。

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 *長く更新サボってすいませんでした*

「あれ1台で色々な楽器の音だせるらしいぞ」
「これでオーケストラいらなくなるな」
「そうなると楽器売れなくなるぞまずい」

エレクトーンを弾けない人・弾いたことない人でも、
これはちょっと歪な考え方だと思うよね。

オーケストラや楽器などは、
特に無くす必要のないものである。
工具運搬具や家電製品なんかと違い
効率や利便性を追求する存在ではないから、
他に良いものが現れたからといって
廃止にする必要は特にない。
なのにエレクトーンが「楽器ソックリな音がでる」といって、
(今考えれば当時のアレは全然ソックリじゃないが)
オーケストラやミュージシャンと共に、
現存する管弦楽器や楽器製造業者までもが
無用になると恐れたのである。

例えば仮にソレがバイオリンそっくりの音が出たとしても、
人はバイオリンが弾きたかったり、
或いはそうしなければならない立場にあるのであって、
「コレがあるからバイオリンはこの世から消えてよし」
ということとは違う。
クラシックギターが趣味の人なら、
エレクトーンでどんなにギターとソックリな音が出ても、
「もうギターやめます」とはならない。
その人はギター自体が好きでギターが弾きたいのだから。

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でも上の業者の人たちがバカなのかというと、
そうは言えないと思う。
未知への恐怖とは、
きっとそんなものなんだろう。
当ブログで何度も書いたように、
当事者が客観的になるってのは
結構難しいよね。
ただその楽器業者サン達がその後、
ここから何某かの学びを得たかは、どうだろう。
べつに悪口言うつもりはないんだけど、
いつだってどの業界だって、
市場を勃興拡大周知させるという大変な仕事は、
大企業がやってくれている場合が多い。
そしてそこへ後から文句を言うのが中小零細、
というのがよくあるパターンではないかな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

じゃ実際はどうだったのか。
「エレクトーン」という新ジャンルができただけだ。

なもんだからオーケストラは存在し、
バイオリンはバイオリン、
トランペットはトランペットなのである。
改良されることはあっても、
他のモノと入れ替わり絶滅した楽器などないのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに・・。

たしか83年頃だとおもったけど、
国内Y社のある画期的デジタル・シンセサイザーの登場した。
それ以降一部楽器(特にキーボード・エフェクタ系)のデジタル化が進む。
今ではそのお陰で、判別不能なほど
現存する生楽器とソックリの音が出せるようになったり、
生演奏と錯覚するほどの高度な自動演奏が可能になった
(エレクトーンというよりシンセサイザーの話だね)。
また録音加工編集再生技術も劇的に向上し、
商業音楽の製作披露の場において
多くの生楽器奏者を排除し、
短納期化やコストダウンに成功した。

さらにこういった楽器のデジタル化は
単に性能向上だけでなく、
楽器の価格低減や操作簡素化・小型化をも可能にした。
それも手伝って
音楽製作という一部の限られた人のものが、
広く一般の趣味として拡がった。

プロとアマとの差が縮まったのだ。

こうしてフリーのミュージシャン等の
活躍の場は減る一方らしいが、
実在する楽器(楽器音)が決して不要になったのではない。
プロの現場でそれらを演奏する者を必要としなくなっただけだ。

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楽器のデジタル化は一部で、
プロの失職というある種の生贄を出したが、
音楽(楽器)の市場全体の啓蒙拡大や
音楽自体の進化に大きく貢献した。
楽器を少しでも知っている人ならば
これには異論が無いと思う。

じゃあ誰もが
手軽にプロ並みの作編曲ができたり
演奏ができたりするのかというと、
流石にそれはない。
これについては今も昔もないだろう。
いくら素晴らしい道具をあてがわれたところで、
そこに才能やセンスが付与されてくるでもない。

ただ、楽器本体以外に
私の中学生あたりの頃と決定的に違うのは、
とにかく情報・付帯サービスが多いことだ。
楽器店や書店の音楽(楽器)の棚に行くと、
書籍DVDやらハウツウ物が山ほどある。
今の若者を本当に羨ましくおもうほど。
さらにはアーティスト解説本やジャンル解説本等の、
中には「余計なお世話系?」とも言えそうな書籍も
多数ある。例えば
「これでわかるプログレッシブロック!」とか
(↑そういうことって他人から教わるコトなのかな?)。
おまけにインターネットもある。
今なら80年代の数分の1程度の
費用・労力で済むだろう。

昔ならそういった情報は
自力でかき集めるしかなかったし、
演奏自体だって結局自分で練習し編み出す以外に
方法などなかった。
バンドのメンバー探すのも結構な大仕事だった。

つまり、
ある程度の本気度がなければ、
それなりのレベルには到達できなかったのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あるモノ・コトが進化すれば
それらを補助するような製品・サービスは
無用になるのか?。

どうも逆じゃないかな。

実際はモノ・コトが進化すれば、
それに伴いユーザをある意味怠けさせてくれるような
有難い製品・サービスが、
そしてそのニーズも増えてくる。

どこかの業界に当てはめたくなるな。

次号に続く。

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この記事へのコメント
はじめまして。

私は、3歳からエレクトーンをやっています。

そんなことは、どうでもいいのですが・・・

初めて聞いた!!

ということがたくさん書いてあったのでコメさせていただきました。


出てきたのが70年代なんて全然しらなくて…


とても面白く、興味深かったですw
Posted by 采香 at 2008年04月25日 21:52
コメントありがとうございます。

知り合いのオジサンの話を聞きかじり
そのまま書き出しましたが、
実はよく調べると、
初代機が既に59年に登場していたことが
判明しました。
まず訂正しお詫び申し上げます。

こんな風に時に脱線しながらも好き勝手書いています。
またお越しくださいませ。
Posted by 東京下町バカ写真屋 at 2008年04月26日 08:25