2009年02月13日

写真屋の祭典?(第2回)

当日の東京ビッグサイト
前回の続き。

「プリント需要の伸び」は、
ここではもはや前提となっている。
ちょっと意外に感じたけれども、
彼等なりの数字とか何らかの根拠があるのだろう。

「街の写真屋なんてもうバタバタ潰れてさ・・」
とかいう話を聞かされる度に性格の捻じ曲がった私は、
「だからよーそれがなんだってんだよ」
「こーゆー時期だからこそ色々やり様があんじゃねーのか」
などといつも思っていた。
これは単なる私の情緒的な反発であり根拠はない。
だが当イベントに参加の彼等の
この前向きなアティチュードは、
単なる思い付きでもお祈りでもなさそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回、
このイベントから感じたことを一つ挙げたが、
最後の方で「市場を協力的に育てながら公正な競争」
みたいなことを書いた。
まずこういったイベントの存在自体が、
業界横断的な協力体制そのものである。
で、その中にあってやはり「競い合い・張り合い」が
シッカリあることを、あらためて確認した。
お客にたくさん写真を撮ってもらおう、
楽しんでもらおう、という流れは一緒でも、
そのための手段は決して一つではないということだ。


 あるブースでは、
 フォトショップ・プラグインの合成用ソフトを紹介しており、
 「グリーンバックもしくはブルーバックで撮りましょう」と言っていた
 (クロマキー合成のことだろうか?)。
 ところが会場中央でのオープンセミナーでは、
 ポートレート等の撮影における、
 背景をバーチャル化したワークフローが提唱されていんだけど、
 ここでは「グレーバックがいいでしょう」と言っていた。


 大手フィルムメーカー系企業のブースがあった。
 大して見なかったし記憶に薄いのだが、
 少なくともフィルムの紹介宣伝などでは無かった気がする。
 こちらもデジタル一色である。
 だがそのすぐウラで、
 銀塩写真保存会(正式な名称は覚えていない)なる、
 フィルムカメラとその写真を守ろうとする、
 かなり真面目でしかも全国的な組織の、
 会員を募るポスターを見かけた。
 ちなみに上のメーカーさんとは関係なさそうだった。


 プロアマ多くの写真家が世話になっている、
 民生機プリンタのメーカーとしても有名なある企業のブース。
 ここで出展していたはコンシューマ・グッズの方ではなく、
 写真店向けデジタル出力の、
 いわゆるソリューション・システム
 (だとおもう・未確認)のようなものであった。

 このブログでも度々ネタにしてきた
 「デジタルプリント店頭受付端末」も、
 会場中央あたりでブースをシッカリ陣取っていた。
 上記のシステムとはライバル関係になるのだろうか。
 だがこの両者、
 機械の大きさも違うし
 恐らく値段でもゼロが一つ違うだろう。
 前者は売上規模の比較的大きな店やチェーン店(の大元)、
 後者はウチのような零細独立店と、
 ターゲットを異にしているのかもしれない。
 勿論私の想像だけど。

・・といった具合である。

その他にも、
全国の腕自慢さん達からの寄せられた
銀塩プリント(!)作品展示コーナーがあったり、
全国の営業写真館さんからの応募の、
ウエディングフォト作品コンテスト(投票により優勝者を決める)
があった。
ライティングからシチュエーション・背景選択など、
写真屋によってこれだけ個性・流儀の違いがあるんだなと再認識し、
大変面白かった。

一流メーカーさんのブースはここでもやはり立派で、
スペースも広く垢抜けていた。
ちょうどニコンD700のアナウンスがあって間もない頃で、
早速その話題の実機が触れるということで、
その辺りはカメラショーのように人だかりができていた。
でも私の感覚ではフツーの展示会っぽいのはそこだけで、
あとは業者相手のイベントだからなんだろうか、
ファン・愛好家が集う類のものとは、
明らかに雰囲気が違っていた。
紹介展示してあるものが一般向けの製品でないから
当然なのかもしれないが、
行き交う人々の視線が、嗜好品を眺める人達のそれとは違う。
笑顔や談笑があちこちで絶えない中でも、
常に何かを強く捜し求めている、
静かで鋭い眼差し、といいたらいいか。
皆、単に楽しんでいるワケではないのだ。

それ以外に私の目を引いたのは、
地方の小さな(たぶん)企業サン達のブースであった。
2坪程度の小さなスペースに商品を目一杯陳列していて、
ブースというよりは大き目の屋台といってもよく、
スマートな一流企業サン達とのコントラストが面白かった。
ハッキリ覚えていないが、
たしかオリジナルのバックドロップ作っている会社とか、
オリジナルプリント加工の会社とか地域のスタジオさんとかかな。
ナリが小さくてゴチャゴチャッとしている分、
余計に生々しい商売臭さを感じたのであった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「儲からない」
「もう商売として成り立たない」
とか散々言われてきた写真屋。

恐らく、
そんな泣き言ほざいてる暇なんかあるかい
という大小有名無名数十社が
全国からここ東京へ集まった。
そして、
「もっと儲けたい・稼ぎたい」
「もっとウマくなりたい・いい写真が撮りたい」
「もっとお客を喜ばせたい」
「何かいいアイディアが欲しい」
そう強く願う人が、
ここには大勢いたと思う。
または
「何かキッカケを掴みたい」、
「停滞している自分に刺激を与えてやる気を起こしたい」
とかいう人もいたかもしれない。
そして実際にそのように何かを感じ取って
帰っていった人もいただろう。

出展側の人等も行き交う人達も、
みな前向きで積極的に見えた。
自分も何か出来る、何かしなくては、
という気にすらさせる。
それがこういったイベントの魔力であるし、
一人でも多く「その気」にさせることこそが、
当イベントの面目躍如と言えるのだと思う。

景気の「気」は
気分の「気」というから。

次号に続く。

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この記事へのコメント
その気にさせる魔力。

霊感商法や宗教法人のウソにはない、
ほんとうに一生懸命な方々の、
糸口で、あるべきものなのでしょう。

どんな業界でも、
利益に気付くのは、
ほんの ひとにぎりかもしれませんが

業界に、明るく、確かなものを、
ひとりでも多く、感じて欲しいと、
ひとの息遣いを感じる文章に、
私は願わずに、おれないのです。
Posted by フラフラです。 at 2009年02月14日 04:42
いつもありがとうございます。

ある業者や業界が、
マスコミを巻き込み(活用して)ブームを創り上げ、
一気に需要を引き起こそうというのは、
よくある話ですよね。
イイものもあればマルチまがいもあるでしょう。
近年のFXなんかの投資ブームはそれなのかは判りませんが、
結局、強力な雰囲気を作った者が勝ち(良くも悪くも)
なんだと思います。
それをウマく利用できた者も勝ちだと思いますが、
単に呑みこまれた者は負けだとも思います。

イヤな情報満載のマス媒体に
気分を支配されてしまった人は、
上のようなイベントにおいても
嫉妬や批判しか思い浮かばないのかもしれませんね。


Posted by 東京下町バカ写真屋 at 2009年02月16日 00:36