前回の続き。
当日私は時間の多くを、
無料セミナー聴講に費やしてしまった。
損したとは思わないが、
もうちょっと各ブースちゃんと見ておけばよかったかな、
と思っている。
今回のこの記事に具体性がないと感じられたのなら、
そのせいかもしれない。
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メインステージと称される即席会場の客席に、
メシも喰わずに私はほぼ一日座りっぱなしだった。
そこでの出し物の合間に各ブースを覗く、
そんな感じであった。
なので本節残りは、
そこで感じた印象・感想などを書きたいと思う。
聴講できたのは4組。
某有名雑誌社所属カメラマンの方、
日本写真家協会会長、
ある地域の写真館主宰の方、
某デザイン事務所から
レタッチャーとアートディレクター両氏、
である。
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最初の方は、
ニコン関連で結構有名な方だと思う。
アタマをキレイに丸めたその風貌、
ニコンの売り場の販促物で見かけることもある。
基本的には、
無線LANの活用によるワイヤレス化の、
スタジオ・ロケどちらでもいけるワークフロー、
というお話だった。
業者や経験者の方ならご想像つくかもしれないが、
撮影中にダイレクトに画像をPCに送り、
リアルタイムでモニタでの閲覧が可能、
USBケーブルなどで繋がないのでスッキリ、
ということだ。
シンクロコードなども今ではワイヤレス化できるから、
それも含めると撮影環境は限りなくワイヤレス化でき、
作業し易く安全、皆でモニタを通して情報共有できるから
効率アップで失敗も少ない、
といった具合である。
ただこれだけだと大したことはないが、
ここに今風の機能であるライブビューが加わるとスゴいのだ。
上の話だけだと撮影「後」のデータを確認するだけだが、
ライブビューにより撮影「前」「中」を、
その場に居合わせた全員が確認できる。
例えばブツ撮りなら、
モニタを見ながらのセッティングが可能になるのだが、
画像を無線LANでノートPCに飛ばし、
セッティング作業をする人の手元に置いておく。
そうすればわざわざPCモニタを確認しに行くことなく、
手元のノートPCの画面に映るライブビュー画像を見ながら、
作業ができるというわけだ。
このことは私にとって、
単なる技術革新以上の、
かなりの重みのある事柄だ。
子供の頃、
私が親父から怒鳴られながら手伝わされた時の
(だから私は長いこと写真が好きではなかった)、
あの鬱陶しさが今後、
一気に解消してしまうかもしれない、
そう感じたのだ。
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普通、
撮影しようとする画像がどんな具合であるかは、
カメラのファインダーを覗いている者にしか
分からない。
この画像を見ることの出来る唯一の人物である撮影者から、
それを見ることの出来ない者が
セッティングの指示を受け作業をする。
この枠組みは長きに渡って変わることは無かったし、
それを疑問に思うこともなかった。
都内一流スタジオなんかのスタジオマンとかは、
本人達がその道を目指しているような連中だから、
カメラマンから「そこをどうして」とか指示が出されれば、
「ああこんな絵面にしたいんだな」とか判るのだろう。
反対に「真夏の太陽っぽいカンジで」とか言われれば、
多分ストロボをベアバルブにしたりするだろうし、
「バックは白とばしで」とか言われれば多分、
細かい指示を待たずに
8灯とか10灯とかを白ホリへ向けるセッティングを
しはじめるに違いない。
ブツ撮り専門の人等もそんなカンジだろう。
カメアシの多くは、
いずれは撮影する側になりたいのだから、
当然撮影者の視点を十分意識しながら作業している。
だからこそ指示されたことが如何なる作用をもたらすのか
想像がつくし、そうなるよう訓練指導されている。
「見える者と見えざる者」
と言ってもいいような
一見歪な関係状況下にあっても、
両者のモチベーションやスキル、
あるいは信頼とかカン等によって、
難しい意思疎通を可能にしている。
でもな、
それと同様のことを、
小中学校のクソガキに求められても困るのだ。
リアルタイムでファインダを覗けない
セッティング手伝いの者は、
「そこもちょっと上!」とか「少し寝かせろ」とか言われても、
ファインダを覗けないがゆえに
意図した通りにレフ板やらを動かせないことが多い。
出来たとしてもこれでいいのか確信が持てずに不安だ。
覗けないからね。
そんなだから撮影者である親父は
そんな私に苛立ちを覚える。
だんだん語気が荒くなり、
細かく説明するのが面倒になるのか言葉を端折りだす。
すると当然もっと伝わりにくくなり
私の動作が益々的外れになる。
さらに親父が苛立ち、
指示がただの暴言になる。
私がアタマにきてやる気を失う。
そんな私を益々親父が怒鳴る。
こんなことを繰り返すうちに、
写真屋稼業から私の心は遠ざかっていった。
家族間だから許されるのだろうか。
こういったつまらないやり取りが、
上に書いたような仕組みを導入することによって
一気に無くなるのかもしれない。
金と年月かけて部下の教育などしていられない
中小零細企業にはある意味朗報といえよう。
不慣れな者や未経験者の作業や指導も
コトが目に見える分、
容易になるだろう。
指導を受けた側も納得しやすいに違いない。
あるいは
スタッフ自体必要もなくなるかもね。
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飛躍的技術革新てヤツは、
業務効率アップのみならず、
コミュニケーション効率の向上を伴っているものが多い。
あるいは、
最初からソレを目指した技術革新も多いだろう。
意思疎通がよくなるから
業務効率がよくなるのかな。
「いかに多く撮ってもらうか」
「いかに多くプリントしてもらうか」
がこのイベントにおける「表」のメッセージとするならば、
私が勝手に感じた「裏」メッセージは、
なんだかんだいって結局、
「コミュニケーションを良くしよう」
ということなんだと思っている。
物凄いモノを開発してくださるメーカーの方々、
さらにそれを苦労して商業ベースに乗っけてくれた方々には、
本当にアタマが下がるばかりである。
しかしこれらも、
こういったイベントの本懐からすれば
単なる方法論の一つである。
次回以降でまた書くことにするけど、
イベント全体の趣旨や個別セミナーにおいても、
その根底にあるもの、または目指すものは
共通しているように思えた。
どんな道具を使おうが、
どんなシステムを導入しようが、
店と客、店と街、上司と部下、スタッフ同士、企業と社会。
その両者の風通しを良くしよう、
そうすることによってはじめて
売上アップや業務効率アップが実現する、
そういうことなんだと思う。
今日、
多くの写真屋がここまでダメになったのも、
「それ」が疎かになったからだと思う。
次号に続く。
Posted by bakashatokyo68 at 21:53
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エッセイ・仕入先とのこと