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前々回の冒頭で、
『デジタル技術が街の写真屋を滅ぼす』どうのと書いた。
カメラメーカーさんをはじめ
多くの業者さん達が頑張ってくれたお陰で、
ここまでカメラ(写真)が広く一般に親しまれてきた、
ということは間違いない。
勿論これは喜ばしいことである。
その一方でよく言われているのが、
デジタルによりカメラ(撮影技術)が
一般人により身近になることで、
我々業者固有の技術が
相対的に陳腐化する(から写真屋が無用になる)
のではという懸念だ。
知人友人と話していると、
確かにそういう傾向にあるのはなんとなく理解できる。
私の知る範囲では、
日頃商業印刷物などで何気なく目にするような写真が、
「イマドキのカメラでなら私でも撮れるかも」などと
一般人に思われている確立は結構高い。
彼らにはああいった写真が、
修行を積んだプロフェッシナル達の手によるものだという、
そういう感覚は私が考えている以上に薄かった
(素人とはそういうものなのかもしれないが)。
だからなのか、
「お前んちよく潰れねえな」と言われる。
彼らの中での写真屋の重要度や
必然性の低さの表れなのかもしれない。
もっともこれは我々の努力不足の裏返しでもあるのだが。
ただどうだろう。
こういう実態がありそうでなさそうな
漠然とした不安ってのは、
客観的裏づけを取れるものなのだろうか。
「デジカメ便利になったので、もうおたくには行かないから」と、
わざわざ店に言いに来てくれる客などいないし。
じゃ実際はどうなのか。
繰り返しになるが、ウチに限って言えば、
今のところ仕事もお客も激増はないが減ってもいないし、
上の二重括弧の台詞のようなことを予見させる何かを、
実際に商売上でなにかしら感じたり確認できたケースは
まだない。
ミクロレベルでは例外も多いのだろうが。
それとも単に私達が鈍感なだけなのだろうか。
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逆に日々感じること言えば・・。
人はやっぱりラクしたいし安心したいし
失敗もしたくないんだなーということ。
そしてなんといっても、
ウチが扱う『カメラ・写真』というヤツが、
生活必需品なんかではなく、
趣味嗜好性の強い商材であって、
本当にラッキーだなーということ、だ。
なぜなら、
人は心底好きなものには
たくさん金を使う。
安心を得るためにも、
あるいは面倒を忌避するためにも、
お金を使ってくれる。
反対にもしウチが、
品質の安定した低価格志向で価格感度の高い、
生鮮食品やコモディティを扱う店だったら、
間違いなくウチは
とっくの昔に潰れていた。
食品スーパーや雑貨店の方こそ、
淘汰の度合いは並大抵ではない。
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しかしながら、
デジタル化の進んだ今そして今後、
写真屋は開業するのが簡単な業種の一つであると思う。
前回書いたように道具は容易に揃うし、
資格も免許も無用、
権威付けのある組織に出向いて
頭下げて契を交わすような必要もない。
修行も必要ないといえば必要ない。
4×5も8×10も暗室もいらないし、
カメアシも機材車もないならないでいい。
『結果』で勝負すればいいだけだ。
そういう意味において、
上の台詞はやはりその通りだと言える。
現役実業家や優秀でセンスのいい若者なら、
写真店開業はもとより、
ウチ程度のしょぼい店を潰すくらい、
簡単なのかもしれない。
既存企業の多角化多チャンネル化としてもアリだ。
お隣の素人が明日のライバルになるかもしれない。
とは言うものの、
少なくともウチの周りでは、
写真屋の新規出店話は、
一向に聞くことが無い。
前々回に書いたように、
『それが可能であること』と『それをやるかどうか』は
別ということなのだろうか。
それとも誰もやりたがらないのか。
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あらためて申し上げるが、
ウチが生き残れたのは、
ウチが商売人として優秀だったからではないし、
ウチが写真屋(技術屋)として優秀だったからでもない。
ウチの努力やセンスが並外れていたかというと、そうでもない。
類希なる人格者かというと、全く違う。
恐らく『たまたま』である。
優れた大企業のビジネスモデルや実業家の功績、
あるいは小企業や商店・職人達の功績、
それらは各所で記録(記憶)され、
後々に事例となって語り継がれる。
そして、
これとは逆の悪い例・大失敗・悲惨な例も、
同様に何らかの形で残り、
マーケティングや経営学なんかのネタになるだろう。
しかし、
それらの『中間』は、
ない。
あっても知りたくもないだろう。
だが世の中には、
アタマも悪く性格も決して前向きとはいえず、
とても努力しているというほどでもない、
アイディアも金も無く気が小さく行動的でもない、
世の変化についていけない、
ただ恐ろしくて今の現状にしがみついている。
戦略性もなく常に行き当りバッタリ。
特徴も秘儀もないし、替わりはいくらでもいる。
そんな人がする商売でも、
生き残っているものがたくさんある。
なんだかわからないけど周りの人に助けられていたり、
ライバル企業のオウンゴールとかで
助かったりしている商売が。
その一つが
ウチだ。
たとえそれがどんなに醜かろうと、
私にとっては大切な存在である。
そして、
その有様を私の脚色妄想を加えて書き記しているのが、
このブログである。
読み物として楽しんで欲しいと願ってはいるが、
ビジネスの参考にしてもらえ得る気など毛頭ない。
バナーのサブタイトルのとおり世間話である。
もし皆さんが、
何か自慢したいのかコイツとかお感じになったのなら、
それは私がその時調子ぶっこいていたか、
単に私の文章が下手っぴなだけである。
ただ、
そういった情けない部類の人でも、
格言めいたことをポロっと口走ったりすることがある。
何かを10年20年30年と続けているからなんだろうか。
べつに他愛の無いことも多いのだが時折、
各界超一流の人の名言との
本質的共通点を発見した気がして、
寒気を覚えることもある。
ただただ数十年間生きてきただけでも、
十分面白いブログが書けると思う。
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さて、
そうこうしている間に、
今年の開催が近づいている。
残念ながら今回は
仕事ズル休みは難しそうだ。
(『写真屋の祭典?』全9回・おわり)
Posted by bakashatokyo68 at 21:52
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エッセイ・仕入先とのこと