写真屋の客は写真屋(第2回)
前回の続き。
街の写真屋の仕事はどこでも、
ほとんどデジタルになっているのかなと、
自分チの様子に鑑みてそう思う。
でも、
そんな今でも
『ぜひフィルムで』という仕事はある。
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今回紹介したこの業者サンからの仕事で、
ある学校の撮影でのこと。
フィルムで撮ってほしいとのこと。
なぜかというと、
その卒業アルバム担当の先生が
「印刷終わった後もネガを所持していないとなんだか不安なので」
ということだった。
「いやあデジタルのほうがお得ですし扱いもラクですよー」
などと先方をけしかけたりなどはしない。
「ネガが欲しい」と言っているのだから
そうするまでである。
デジタルがお得でラクなのは
お客ではなく自分である。
自分に有利なことは客に勧めたくなる。
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こういう時、
フィルムやったことのない若いカメラマンなら
どうするのだろうか。
「(非デジだと)モニタできないのがしんどいな」とか
「あまり数撮れないのがキツい」とか、
そういった辺がネックに感じるのだろうか。
しかし最も怖いのは、
スリーブを見ることで、
その撮影者の力量が
判る人には判ってしまうことではなかろうか。
失敗カットを隠せないから。
普通カメラマンが売り込み等に使うのは
ブック(ポートフォリオ)なわけで、
プリントされたものを見せる。
ポジのスリーブなんかを他人に見せる機会は
恐らくそう多くはないのだろう。
例えば、
クライアント(特に編集の人とか)や写真学校の先生、
あるいは先輩や上司、自分の師匠に見てもらうとか。
ポートフォリオはデジ・アナ限らず
自信作だけ出力されているワケだから、
当然その作品のみ講評される。
ブツ撮りなどで中判とかだと
OKカットのみコマで切って納品するから、
NGカットは見せずに済む。
大判はそもそもフィルムが一コマずつだ。
35mmポジでもマウントで納品というのもある。
しかしスリーブを見せるということは、
その時の撮影における態度とか緊張度合いとか、
あるいは何を意図していたとかそんなことが、
ある程度バレバレになってしまう。
スリーブは、
撮影時の様態を時間軸から浮かび上がらせてしまうのだ
〜とりわけスタジオでの人物撮影などの場合は〜。
だからスリーブ見せた時に、
「(あるコマとコマの間を指して)お前この時なにやってた?」とか、
「いいか、ここでさ、縦横(位置)をがちゃがちゃ動かされると
見る方がルーペ覗きながら両手動かさなきゃなんなくて大変だろ!。
だからここは縦位置って決めたら最後まで縦でいけ」とか、
その時の行動などについて怒られたり
指摘されたりするのだ。
そんなだから私なんかは、
自分の全てを他人に見られてしまうような
気なってしまい、
撮影時に妙に気負ってしまうこともあった。
写真学校なんかでポジで撮らされるのは、
単に露出の勉強のためだけでなく、
上に書いたような意義も含まれていると思うが、
尋ねたわけでもないし判らない。
どうなのだろう。
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デジタルとフィルムでは
撮っている気分が違うのは勿論あるが、
ポジのスリーブを見せるのも、
出力作品を見せるのととは違う緊張感がある。
カラーネガならあまり関係ないかな。
ウチの親父もフィルムは久しぶりということで、
失敗したらいかんので
リハーサルをしてから仕事に臨んだ。
ちなみにこの仕事はポジではなく
ネガカラーである。
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その反対に、
ベテラン写真業者でありながら
デジタルにあまり積極的でない同業もいる。
取引のあるいくつかの業者サンがそうなのだけど、
それぞれ商売はちゃんと成り立っている。
だが時々、
古い写真のレストアとか合成など、
デジタル絡みの面倒そうな仕事を受けると、
当然処理できず
ウチに回ってくるのだ。
その辺の話は次回に。
次号に続く。
Posted by bakashatokyo68 at 21:57
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エッセイ・仕入先とのこと
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一回。
ごまかしの利くコトに 慣れてしまうと、
もう、緊張感のある1発勝負
(ココでは、リバーサルのスリーブ撮影)は、
出来なくなるのでしょうか。
私も、
技術屋の、端くれとして、
それが、すごく、怖い時が あります。
フラフラさん
早速コメントありがとうございます。
記念写真とかスナップとか、
一見何気ないことでも、
当事者にとってはやり直しのきかない
一生に一度のことなわけですから、
そう考えると確かに怖いですね。
ある程度の緊張感は必要でしょうが、
しすぎてもいけませんし。
なんだかんだいってもやはり、
「十分な練習と十分な準備」が、
最良の対策かなと思います。
フラフラさん
もしかして上の私のコメント、
噛み合ってなかったですか。
すいません。
「時を戻せない」と言う意味ではないですよね。
デジタルの今でも
緊張を全く感じない時などありませんが、
フィルムやっていた時代のソレとは
明らかに何かが違います。
恐らくソレには、
「後から手直しできるという余裕」みたいな考えが
若干含まれてしまっている気がします。
一度「楽(?)」を味わってしまうと、
元には戻れないですね
(厳密にはデジカメの方がシビアな点が多数あるのですが)。
勿論これはデジタルの素晴らしい一面なのですが、
確かに怖くもあります。
写真屋さん。
ご丁寧に、ありがとうございます。
イーストマン・コダック社が、
コダクロームを生産終了した時代ですから、
そんなに考える必要も、無いのでしょうが、
やはり、やり直しや ごまかしの効かない
リバーサル撮影の技術を、
それを求める お客さんが、居たとしても、
ひょっとしたら、もう、
プロ カメラマンでも出来なくなる時代が来る。。
そんな技術の廃れが、
技術屋の はしくれとして、怖いと感じたのです。
たしかに、
デジカメは、パソコンと同じで、
撮影する意図すべてを、
入力や装備をしてやる必要があり、
その点、シビアで、面倒ですが、
カンの部分のある、フィルムカメラよりも、
分かり易い面でも、ありますし、
手直し(あるいは、ごまかし?)の出来る余裕も、
あるのでしょうね。
今回のコメント。
私の、単なる、感傷が混じっているのかも、しれません。
混乱させてしまい、失礼いたしました。