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(今回もほとんど与太話です念のため)
たとえどんなに慣れ親しんで
情が染み付いたものであったとしても、
それが経済的便宜をもたらしてくれないのなら
乗り換えるなり処分するなりする。
たった一人の客しかとれない商品・サービスに、
廃れてこれから無くなるしかない技術に、
どうして縋る理由があろうか。
それができなかったから、
ウチはいつまでもちっぽけな写真屋なのだろう。
つまり、
いくつかの局面で重要な決断を避けてきたが故に、
商売として大きくレベルアップすることがなかった。
別に暗室自体がどうのという話ではない。
反対にそれができる人達、
つまらぬ私情を排し時代の後先を見据え、
合理的意思決定をし続けてきたのが、
前回紹介した学校ほか今ある多くの立派な企業サン達だな。
「その学校も今では幅広く事業展開し・・」というのは、
その結果の姿なのだろう。
そんな彼らには恐らく最初から、
「このビジネスをデカくしてやるぜ」みたいな
何某かのビジョン・展望があったのだろうと思う。
ウチにはそいつがなかった。
この辺が
『企業・事業』と『家業・生業』
との違いの一つなんだろう。
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しかし、
そんな零細商人も即ち不幸かといえば、
それはどうやら別の話らしい。
お客サン他お付き合いのある元気な人達を見てそう思う。
ウチ同様グダグダな人(失礼)が多いけど皆楽しそうにしている
(本当に楽しいかどうかに係らず、
そう振舞っていた方がいいことを彼らは知っている)。
自分なりに今まで精一杯やってきたんだ、
みたいな自負でもあるのかな。
ウチの親にも本当に色々なことがあったが、
そんな皆さんのお陰なのか今が一番充実しているように見える。
とは言うものの、
ここ数年ウチには、
今まで証明写真など撮る必要もなかったはずの
ちょっと顔見知りのおじさんおばさん方が、
珍しく証明写真を撮りに来るケースが散見される。
なぜなのかはすぐに見当がついた。
「今日来た○○サンね、来月一杯で商売もうやめるんだって」
「だから夫婦で職探してんのよ。今度面接受けるんだって」
後から母に確認するとやっぱり皆そういう話だ。
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『店(商売)を潰す』というのは、
一つの大英断である。
少なくともこの人たちには、
悪い先延ばしを止めて、、
古いものを捨て新しい環境に入る勇気はあったことになる
(ウチにはそれすらなかったということか)。
確かにその人自身の能力(努力?)不足かもしれないし、
彼らが辛い状況にいるのはほぼ間違いないだろうけど、
もしかしたら、
新しい環境・仕事に移ったことで、
かえって元気になっているかもしれない。
店を撤退させたチェーン店だって同じだ。
閉店は確かに一時的にはマイナスイメージだが、
そのことでかえって持ち直しているかもしれない
(そうなるためにやるのだろう)。
どんな事情があるにせよ、
自力で看板を下ろすことのできる人は、
『これ以上やってもダメ』というポイントを見極められた人だ。
過去に商売を一度(以上)潰して復活したという人に、
何人も出会ったことがある。
こんな時代だからお気の毒な方も多いとは思うが、
閉めた店の不幸話てのは、
周りの人達による無責任な想像が含まれていることも多い。
そのテの噂話は大好きなくせに、
その先の復活劇にまでアタマを廻らせてみるほど
他人に興味があるワケではない。
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恵まれた環境に生まれ育ち、
経済的にもべつに困っていないのに、
自分にとって好ましくない結果を他人や環境にせいにして、
いつも不満を言っている人もいる。
自分が実際に行なってきたことが、
自己決定により生まれたものなのか或は
自己決定意識と結びつけらるものなのか。
そうでないのなら、
人は何をやっても、
どこにいても、
不幸である・・・
・・・てなことが仏様関係の本にはよく書いてある。
どんな意図があるにせよ無いにせよ、
「暗室は潰さない」というのも、
結果的に一つの意思決定になっている。
自分が決めた(ことになる)のだから
文句を言ってもしょーがない。
あとは精一杯働いて、
その結果を受け入れる。
自分に起こったことは全部自分のせいなのだから、
主体的にならない方が損だ。
AとBという2つの選択肢があったとして、
Aが最高なら即ちBは最悪というのは、
多くの場合、
ただの勝手な決め付けである・・・
・・・ってこれも仏様の本によく書いてある。
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幸か不幸か、
ウチの暗室自体は
ビジネスとしては相変わらず割が悪いものの、
維持するだけでドカドカ経費が出て行くような状態ではなく、
仕事すればするほど赤字になるワケでもない。
2ヶ月ほど前の日曜日午前、
店で見知らぬ若者(客)が親父と話し込んでいた。
母に尋ねると、
『今時(彼にとっては)珍しく暗室のある写真屋がある』と
知り合いからウチの存在を聞きやって来たとか。
写真談義で暫く盛り上がり、そして帰っていった。
その彼も今のところ
ウチのリピーターになってくれているワケでもなく、
当然一円にもなってはいない。
これを
『カネにならない付き合いなど時間のムダ』と
躊躇なく言い切ってしまうような人はたぶん、
ウチなんぞから何の価値も見出すことはないのだろうが、
ウチより数十倍も儲けられる人物である確立は高いかも。
次号に続く。
Posted by bakashatokyo68 at 22:12│
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エッセイ・仕入先とのこと