2012年02月29日

写真屋と健康問題(第9回)

梅まつり・文京区湯島天神にて

前回の続き。

ここを訪れた方は恐らく
写真屋経営の実際や裏側などの多少生臭い話を
期待されていたのではないかと思う。
私もそう思うからこそ、
身内の恥を晒す覚悟?でそれに応えようと
書いてきたつもりである。

それでも問題の芯に近づこうとすると、
精神的態度とか生活習慣などという
頑固親父の説教のような
ちっとも面白くない話になってしまう。

これはちょっと申し訳ないとも思う。

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いやそれとも、
ここを訪れた方もやはり
写真(屋)の技術論なんかを求めているのだろうか。
私が言うのも変だが、
ウチのような場末の潰れかけ写真屋の技術など
なんぼのもんじゃというところだろう。
研究熱心な皆さんには余計なお世話かもしれないが、
そういった技術論ならば、
こんな糞ブログに時間を費やすまでもなく
他所様のブログに行った方がいい。

じゃなぜ書くのかというと、
やはりそれが重要で普遍的なことだと思うから、
つまり、
こんな糞ブログでも
何かしら人様の役立つのではと考えるからである。

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『自己効力感』という言葉がある。
読んで字の如く、
自分のしたことに対して
効果があったとか役に立ったとか、
明確に感じることのできる状態をいう。
例えばバカな例をあげると、
今日は寒いと分かっているのに
あえて薄着で外出しようと決めたとする。
外に出てやっぱり寒かった。
「薄着にしたことがこの寒さの原因だ」
となる。
これが自己効力感である。

だが残念ながら、
一般的に私達の考える善き事のなかには、
こういった自己効力感の薄いものが多い。
「早寝早起き」「清潔整理整頓」「人を大切にする」
「適度な運動とバランスのとれた食生活」など。
学校の勉強もまさにそれだろう。

では商売においてはどうか。
店の掃除が中途半端で、
ある片隅がいつもゴミ置き場と化してたとする。
良くないとは分かっていても、
それが客足が減ることの直接の原因になるとは考えにくい。
となれば「ココきれいにしたって別に問題ないし」
とくるのも無理もない。
確かにそれで問題ないのかもしれない。
そのゴミ置き場「自体」が直接何か悪さをすることは
恐らくないだろう。

しかし、そのゴミ置き場「自体のみ」に
事の良し悪しを求めることが間違いである。
ゴミ置き場がどうのではなく、
それを放置してしまうような人が、
他の多くのことにも同様の態度で接して、
結果としてその人の商売の姿を為しているのだ。

どんなに有能な選手も日々の練習を疎かにしていると、
本番で思うように活躍できないだろうし、
道具を大切にしない人は、
肝心な時に道具が理由で大失態を犯したりする。
それらは突如起こった悲劇でもなんでもなく、
その人の日々の行いから原因が積み重ねられたのだろう。

コレやっぱり今回の健康の話と似ていないか。
普段ヒドい生活態度の者が
急にサプリ飲んだって健康にならない、
という話と構造は同じじゃんか。

誰だってこんなこと分かっていると思うが、
でも簡単にできないから厄介なのだ。

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さて、これまでグダグダ書いてきた通り、
およそ「商売=健康=生活習慣」なのだというのが、
私の結論である。
当然ながら写真屋固有の問題ではない。
なもんだから不健康なヤツのサプリ飲み同様、
問題が発覚してどうしようもなくなった時、
急いで取り繕っても殆ど効果はないのだ。
それなのに、
私達の多くは問題が起こってしまった後に、
西洋医学の対処療法的なことばかりを求める傾向にある。

こう言うと、
「アンタの言うことは正しいよ、だけどね、
 そんなお道徳よりもさ、目の前の現金が必要なのよ。
 それがなきゃ始まんないでしょ。
 心改めたって客は増えないからね」
とか言われてしまう。
まぁ確かにその通りだし目先のカネがなきゃどうしようもない。
でも今回の本旨からすれば
「そうなるまで放置したアンタの責任」と言いたいけどね。
結果と原因が逆なのだ。

彼等の求める助言とは
ココで書いた説教なんかではなく、
「これをやったら確実に売上30%アップ」
「これやれば客単価が2割増間違い無し」
「この商品は絶対に売れる!」
みたいな短期的直接的施策である。
商売における対処療法はコレにあたる。
じゃその反対の、
東洋医学的な体質改善にあたるものが何かといえば、
もう言うまでもないだろう。
両方が同時並行で行えるのが理想だが。

でもって、
仮にそういった直接的施策のみを以って
商売を立ち直らせたとする。
そうして急場をしのいだからこそ
体質改善のチャンスが生まれるのだが、
皆が皆そうしているのだろうか。
客が売上が増えても、
店の片隅のゴミ置き場を放置して
常態化させてしまう人は少なくないと思う。

街中のなんとも冴えない商店を見つけて、
あなたならどうお感じになるだろうか。
そんな店の主人をつまかえて
「これなら絶対に売れるから!」といって
ある商品を強引に掴ませて商売繁盛しだしたら、
彼等は心のそこから生まれ変わってくれたりするのだろうか。

そんな簡単なら
この国はとっくの昔に世界征服していると思う。


またエラそうな説教になってごめんね。


【今日のおまけ】

以前に何回か胸糞悪くなるリンク貼ったりして少々後悔しているが、
今度は逆で、胸のすくようないい気分になれる?リンクを貼っておく。
ほんの数分だからどうかご覧いただきたい(クリック)。

コレ見て恐らく悪い気はしないと思うけど、
少なくともこれだけはいえる。
私達日本人は日本のことをよく知らない。
自分(自国)を語れずして国際化などありえないと思う。

次号に続く
(投稿遅れすいません・次たぶん最終節)。

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