2013年08月26日

ブログ7周年記念〜戦略的写真屋とは何か(第7回)

スーパーよさこい2013:明治神宮前(原宿)にて

前回の続き。

ウチのような店にはもう
L判プリントの仕事がそう来ることはない、
ってな話は何度か書いたことがある。
気軽に安く利用できる店(端末)が
街中にたくさんあるし、
自宅のインクジェットで済ませる人も
少なくないのだろうし、
そういったことが理由なのだろう。
ウチ(のような店)に対する嫌悪も
もしかしたらあるかもしれない。

でもその理由なんてのは
どうでもよくなってきた。
今回書きたいのはちょっとまた違う話である。


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と言っても
L判プリント仕事が
ゼロになったわけではない。

昔のネガを持ってきてコイツを
プリントしてくれとか、
某インスタントカメラで撮ったものを
L判でプリントし直したいというのも
時々ある。
そういう一癖あるヤツなら分かるが、
単に近所だからとか知り合いだからとかで
値段なんかあまり気にせず仕事よこしてくれる人もいる。
そういう人たちを見てなんとなく感じるが、
ウチなんぞに来る一番の理由は単に面倒だからだ。
自宅のプリンタはもちろん、
街中のデジタル端末を操作することさえ億劫で、
一式をウチに持ってきて
口で「あれこれこうこうして」と直接伝えてしまう方が、
恐らく手っ取り早いのだ。
そういったタイプの人に(低)価格を訴求しても
たぶん無駄なのだろう。


しかし、
これをウチが請け負ったところで
楽な仕事に生まれ変わったりするわけがない。
立派な設備があるわけでもないし。
単純なようで
実はなかなか骨の折れる作業である。


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さて突然だが、
小中学校の写真というと、
どんなものを思い浮かべるだろうか。

集合写真はもちろんだが、
遠足とか体育祭・文化祭などのイベントで
先生か誰かが撮りまくったスナップ写真を、
職員室あたりの廊下とかで番号つきで張り出して、
欲しい写真あったら用紙に番号枚数記入して提出せよ、
とかいうアレを想起しないだろうか。

ウチは学校の出入業者ではないのでやらないが、
たまにその仕事が舞い込んでくることがある。

たまに集合写真をやる幼稚園からか、
もしくはここで何度か紹介した
学校専門の写真屋からだ。

とりわけその学校写真の業者さんは
山ほどこなしているようで、
本当に面倒だと聞かされている。
ほとんどラボに出しているとのことだが、
何も問題なさそうでそうではないらしい。

まず、
物凄く大量であることと
(本来喜ぶべきことだが)、
上に書いた
「廊下に張り出された番号つき写真一覧のやつ」
でお分かりの通り、
生徒父兄からの注文に応じた枚数プリントすること、
加えてその注文単位(人)ごとに
仕分封入までしなくてはならないのだ。
こいつをやりだすと
ほとんど他に何もできなくなるという。
確かに、
20人分とか30人分とかのレベルじゃないからね。

でそのプリント外注先のそのラボだが、
値段を聞くとおよその価格(単なる私の見当)の
なんと2.5倍くらいの高値(残念ながら詳細は言えないが)
でびっくりした。
理由を聞くと、
その面倒な封入までやってくれているのだとか。
確かに儲けは少なくなるが、
お陰でかなり助かっているとのことだった。
この方はそれなりに多く受注しているから、
これはこれでいいのだと思う。

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面白いことにこの方、
自分ちで全部儲ければいいのに
たまにウチにも仕事のおすそ分けをくれる。

この方以前に何度かここで書いているが、
デジタル苦手な方である。
それでもご自身で撮影もされるが、
その結果に難ありなヤツがウチにくる。
どうもカメラの設定が悪いようで
露出がガチャガチャなやつが多いのだ。
この方の名誉なために言っておくけど、
ブルーの背景で生徒ひとりずつ撮るヤツとかの
整った環境では全く問題ない。
屋外⇔屋内でのスナップとかの
露出オートのやつがダメなのだ。
でデジタル苦手だから
画質微調整とかモニタ合わせ(表示情報と出力結果とのすり合わせ)
なんかもダメで、
なんとかしてくれとウチに来るわけである。
なんとかといっても、
数百枚あろうかというファイルを一枚一枚見て、
少々くらい暗い写真を見つけては露光量上げてやって、
全体的にいいかなっていうバランスに整えてから
だぁーっとプリントするだけなのだ。

この方も大して儲からないのだろうが、
ウチもこんなことやってて勿論儲からない。
しかしウチとしては販促コストほぼゼロなわけだから、
文句いったらそりゃ罰当たりである。

まあそんなカンジで、
この方の中では恐らく
同じプリント仕事でも
通常はいつものラボで、
ひと手間ありそうなヤツがウチでという、
位置づけみたいなもの出来上がっているのかなと思う。


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利益率は高いにこしたことはないだろうが、
外注を減らし内製化を高めて
そのせいで忙し過ぎてしまうと、
かえって儲からなくなる。
ならば粗利を下げてもいいから
外注を進めて回転上げるように努力する。
そうすれば多くの仕事をさばけるようになり
薄利でも数を売る、
あるいはその余裕で他の商品を売るなどして
結果的に儲けるようにする。

俗に言う
「高付加価値化」と「薄利多売」ってヤツが、
あたかも対立し並存し得ない概念のように
捉えがちだが、
私の知る限り実際はそうでなく、
その両者をうまい具合に行ったり来たりしているか、
あるいは適宜それらを組み合わせている。

そう、
みんなやっていることだ。
写真屋も変わりは無い。


次号に続く。


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