2013年09月12日

ブログ7周年記念〜戦略的写真屋とは何か(第8回)

拡大して読んでみてください:「みたままつり」にて  
前回の続き。


前回書いた
学校写真専門の業者さんは、
いつものラボが
どうも最近嫌になってきたようである。

値段は高いが
骨の折れる面倒な封入作業なども引き受けてくれている。
でもやっぱり
手間かかってもいいから儲けをちゃんと出したい、
とウチに来て語っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

同業仲間からは
ネットプリントの業者を紹介されたようだ。
探せばこれだけ安いあるんだし使ってみたら、
ウチらみんな使ってるよ、と。

で、そう決めたようなのだが、
デジタル苦手なこの方は、
オンライン発注自体も嫌らしい。
そこでなんと、
ウチに代わりに発注してくれないかという
オファーを戴いたのである。

実際どのくらい安いかは
某有名価格比較サイトあたりでご覧いただければよいが、
学校相手のせいか結構儲けは出せるとのことだった。
なのでお宅(ウチのこと)で何円か
上乗せしてしてくれても構わないから、
ウチのかわりに発注してくれとのことであった。

ウチだってべつにデジタル得意なわけでもなく
この私自身も少し相談を受けた。
ウチだってたいして儲かるわけでもないが、
要はオンライン発注と受け渡し作業のみなのだし、
承ることにした。
この方には大変お世話になっているしね。

これって
フツーの皆さんが頼むネットプリントのアレだから、
何を大袈裟なと思われるかもしれない。
でもウチら年寄りにしたらこんなんである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ここなんかよさそうだよね」
と教えられた業者に、
そのまま頼むことにした。

本来ネットで全て完結する作業であるが、
ウチの親父も不安なので、
実際に電話して色々聞いて確認してから
データ発送することにした。

電話したかった理由はもう一つある。

これは件の学校写真業者さんが
気づいていたのか定かではないが、
ホームページ下部に小さく、

「業者様など大量発注のお客様につきましては、
  価格別途交渉させていただきますのでご連絡ください」

とあった。

ウチとて商売であるから、
やるからにはやはり儲けたいのだ。
電話にてカクカクシカジカ話した末、
○円(1枚につき)まけてもらうことになった。
これで例の業者さんにお許しを頂いた数円の上乗せに加え、
ウチの値引き交渉の末得た数円の儲け、
と相成ったわけである。

そういえば昔、
DPEの発注を
いつものラボじゃ無理っぽい時
(たまたま集荷のタイミング的な問題など)、
緊急避難的に同業者にお願いしたこともあった。
緊急時なので値段はほぼ度外視だったような。
一般客として頼むのだから小売価格に決まってるし。
で、そういう店は勿論、
そういう設備のある立派な店である。
それと似たようなことを、
デジカメプリントでもやっているわけだね。
同様のことは
他の業種でもあるのだろう。


ちなみに9月現在、
取引実績はまだ1件のみである。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回世話になった
このネットプリント業者さんのホームページによると、
メインの出力機については
某有名フィルムメーカー(系?)のやつで、
そのメーカーより印画紙・インクなど一式提供による、
ソリューションビジネス的なやつのようである。
運営会社はそのメーカーとは無関係の独立企業と思われる。
思いっきりそのメーカーの例の緑色のロゴやらが
ドカっと載っているので安心感はある。

何を今更な話であるが
メーカーから卸ときて小売というような、
川上から川下というきれいな流れなど、
実際はそんなに多くはないのではないか。
あらためて考えてみると、
誰がお客で誰が仕入先でどこが卸し先かなんて、
結構ぐっちゃぐちゃなわけだ。
そのプリントの会社だってHPで客募っているわけだから、
相手が業者だろうが一般だろうが関係ないもんね。
一般人はネットで
こういった情報にいくらでもアクセスできる一方、
同様の情報に触れた我々業者もそこに乗っかり、
いくらか上乗せしてリアル店舗で販売しているわけだ。

技術(製品)が
業界や市場を創出し牽引するというのは、
なにも写真だけではないだろうが、
恐らくずっと前から、
こういった川上企業(メーカー等)サン達は、
自社製品・サービスの訴求相手を
我々旧来の写真屋以外にシフトしていたのだろう。
今後衰退の一途であるところに労力注いでもしょうがないからね。
今日私たちが接するこういった業者さんらの存在は、
その結果だな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼らの生み出すモノ・サービスは
当たり前だが確かに優れている。
しかしあらためて着目するのは、
それらが旧来の写真屋でなくとも
導入できる技術であるという点である。

「写真屋をやりたがる人などいない」とか
過去に何度も書いているが、
そもそも、
写真屋業務(の一部)をこなすのに
あえて写真屋の体裁でいる必要などなかった。


次号に続く。

人気ブログランキングへ・クリックお願いします!




この記事へのトラックバックURL