2014年04月04日

ブログ7周年記念〜戦略的写真屋とは何か(第18回)

大勢の花見客が行き交う橋の上:目黒川(東京都目黒区)


前回の続き。

普段買い物などしていて、
そこの店員の態度に腹が立ったという話はよく聞く。
私もそんな体験がないわけではない。
あとマニュアル依存だとかいう話も同様だ。

だが反対に感心させられたといった話は少ない。

それほどこの国の店員の態度は悪いのか。

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アタマにきた出来事があると
他人に喋ってスッキリしたくなるけど、
結果的にそういう話ばかりが世間に出回っている、
ってことはないだろうか。
確かに褒め称えるべきという店員は少ないかもしれないが、
ひどい店員ばかりってこともないだろう。

日頃私たちが接する機会が多いのが
大手量販店や居酒屋ファミレスなど各種飲食店、
スーパー、コンビニ等の店員だと思うけど、
私の知る限り、
接触頻度の高さに反して
最も評価の低い人たちだと思う。
彼らに老舗旅館的おもてなしなど
求められてはいないだろうが、
悪いことばかりが取り沙汰されるほど、
彼らの仕事の質は低いのだろうか。

実際私の周囲でも
大手家電量販店の販売員ら(その制服から察するに派遣だろう)
を小ばかにするやつがたまにいる。
「どうせ大した仕事もしちゃいねえ」とか
「所詮派遣だから」とか。
聞いていて決して気分のいいものではないし、
そうやって決め付けていいものかとも思う。
過去に嫌なことがあったのかもしれないが、
私が聞いたそれらの多くは
大した根拠もないただの悪口だった。

〜最近「バイトテロ」とか呼ばれる事件が続発し
 ネットなどで騒がれたが(調べてね)、
 ここでは考慮しない。
 醜悪であることに間違いないが、
 それら行為(態度)が客に対して直接的でないためである〜

例えばケータイ(今ではスマホか)の販売員の
トークや作業の進め方など、
私自身がセールスされながら観察したりするけど、
あれだけのことを覚えて且つ実行するのは
容易いこととは思えない。
たまたま私の経験した販売員の何人かは
そこのメーカーの人かと思うほど知識豊富で、
会話がうまいだけでなく
こちらの不安点などにも誠実に応えてくれるなど、
感心させられた(そのように教育されるのだろうけど)。
飲食店のホール係なんてさぞ大変かと思う。
だから、
それをバカにするやつに
「お前同じこと出来るかよ」と言いたくなるのだ。

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でもって私の場合、
それで終わりではもったいないと?思い、
後から彼らのトークや仕事っぷりなどを思い出そうとする。
他人のいい仕事は自分も見習いたいからだ。
たとえそんな彼(女)が
自分の子供くらいの年齢であったとしても関係ない。

そういう態度で買い物などしていると、
色々な情報が飛び込んでくるようになる。
簡単な例だと、
洋服や雑貨など見ているときなどは、
自分がある棚に向かうと最寄の店員が、
客である私の邪魔にならぬようそっと立ち居地をずらすとか、
百貨店などで販売員らがバックヤードに下がる時に
売り場に向かって一礼してからさがるとか
(すべてかどうかは知らないが)、
いくらでもある。

勿論意識して見ているから、
反対に悪い点を見つけたりもするが、
それはそれでいいいい勉強である。

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ここで言いたかったのは、
見抜いた(つもりの)物事の正確さではないし、
非正規職員の地位向上でもない。
職業倫理とか貴賎を言っているのでもない。
「小売(飲食)の現場を知らないんだよな」とか
「本当はとてつもなく醜い職場だぞー」とか、
そういう裏話も関係ない。
何もされていないことに対して意見のしようも無いからな。

アカの他人に対して、
あるいは自分に関係ない物事に対して、
その人が優秀かどうかや好き嫌い等に関係なく、
あえて興味を持って接する(注視する)することで、
はじめてそこから色々なものが見えてくる(気づく)、
ということである。

今一度よく考えてみたい。
自分が普段バカにしていたり
嫌っている人物がいたとしよう。
その人から一体何を学ぶというのか。
私達が市中の店員らを分別無く小ばかにしている限り、
彼らから何かを学んんだりすることなど
無いのである。
相手がエライから学べるのではない。
単に自分が学ぶ態度になっていないだけなのだ。

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以前テレビである老婦人が出ているのを見た。
息子達を立派に育て上げたその教育方というか思想が話題となり、
マスコミで何度も取り上げられていたようだ。
書籍も出してらっしゃるようなのでご存知かな。

テレビの内容はほぼ忘れてしまったが、
彼女の発言を一つだけ覚えている。

「子供が教師に不満があるからといって、
 親が子供と一緒になって教師を悪者にしてはいけない」

文言は正確には覚えていないが、
この方曰く、
「そうしていると子供が教師を尊敬しなくなる」
「するとその教師から学ぼうという意欲が失せる」
「結果的に学力・成績が落ちる」
だそうだ。


前回と似たような話になるが、
自身満々に他人を批判している時が、
一番ヤバイ時なのかもしれないね。

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今も昔も巷でよく言う
「謙虚になれ」という言葉について、
結局どういう意味で
具体的にどうするか説明したのを、
聞いたことが無い。

私思うにこれは、
自分を卑下し不本意に低頭するのでもなく、
目の前の相手に対して
その人がどのような人物であれ、
見下したり否定したりせず
まずはシッカリ受け止めましょう、
ということなのではないか。

つまり謙虚ほぼイコール「敬意」だとも言える。



これまでに本シリーズ後半では、
私たちの学びを深めるためのモノサシとして

「因果と歴史」「言語と説明」

という2つの視点を挙げてきたが、

「敬意と感謝」

を新たに加えたいワケである。


次号に続く。

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